横浜そごう店の遠藤(成)です。
つい先日の帰宅時の出来事です。
川崎に仕事があり、少し帰宅が遅くなった日の事です。
その日は、午後から雲行きが怪しく予報通りの雨となりました。さほど気温は下がりませんでしたが、小雨になったり少し強く降ったりと、降り止む気配はありません。
仕事を終え、電車での帰宅途中、下車駅まであと3駅という所で、左手に大きな紙袋、右手に杖を持ったご老人がホームから乗車しようとしていました。私のいたすぐ脇のドアから・・・・が足が思うように動かなかったのか、乗車した瞬間にまさかの転倒!前のめりに転倒し四つんばいの状態に!! 幸い、しっかりと“手”をついたので、受け身がとれ、大事には至らなかったのですが、両ひざの打撲程度はあったと予想できる衝撃でした。
そのご老人は、コートを羽織り、アイロン線の整ったスラックスという服装でしっかりとしたご様子だったのですが、四つんばいのまま動けずにいたので、私含め、近くにいた若者2名と学生であろう女生徒で、抱え上げ椅子に座る状態までサポートしました。
幸い大きな怪我はなさそうで、お身体の痛みも訴えておりませんでした。
時間は夜の11時過ぎ!!
こんな時間に、しかもこんな雨の日に、よほど大事な予定でもあったのだろうか・・・などと考えていた時、その後老人の口から、「102歳にもなると足腰がいうことをきかない・・・皆さん迷惑かけました。すみません。」と衝撃の発言が・・・周囲にいた見ず知らずの居合わせた方々は、「ひゃっ 102歳!!」と驚きの声が・・・
尚更、102歳の方が出歩く時間ではないし、何かあったのか?物騒なことに巻き込まれていたのでは??という妄想ばかりが膨らんできます。このまま独りで帰るにはあまりにも危ないなと思っていたところ、私の下車駅の1つ前の駅がご老人の下車駅であることが、わかりました。
『良かった』
時間は11時20分くらいでしたが、私の下車駅と1駅違いだったので、ご老人と一緒に下車してタクシーに乗ってもらおうと考え、一緒に下車しました。変に気を遣われてもと思い、私も同じ駅が最寄ということで、違和感なく一緒に下車しました。
駅といっても午後からの雨が、ホームの所々を濡らし、滑りやすく危ない状況です。ご老人の右手をかかえ、万一に備えながら改札口を目指しましたが、100メートルを10分くらいのペースでの歩行でしたので、あらためて『よく怪我なくここまで帰ってこられたな』と思いながら、タクシー乗り場を目指しました。
なんとか改札を出て、これで一安心。運良くタクシーも数台待機しており、余計に待つ必要もない状態を確認し、タクシーで帰路に向かってもらいました。
帰り際「それでは、気を付けて、またお元気なお姿でお会いしましょう」とお伝えし、帰ろうとした時、そのご老人が右手を差し出し、握手を求めてこられました。
自然の流れで、私も右手を出し、細いながらもしっかりとした強目の握手をしながら、少し目を潤ませ、たった一言『本当にありがとう!』といってくださいました。
これまでの私の人生で最も重みのある『ありがとう』でした。
この仕事を通じ、多くのご年配の方々にお会いしているからこそできた行動のような気がします。その状況で自然にとった行動に対し、すごく重みのある言葉を頂戴し、こちらこそ感謝の念で満ちております。
また、お元気な姿をお見かけできればと心底思いながら、私も帰路につきました。
神奈川相談室
遠藤 成幸